部室

2005年11月15日
今日、部室を色々と調べたりしてたんですが・・・・すごかったです。
いろいろな物が出てきた・・・・。
発見したパステルでお絵かきしたりしてました。
手がキラキラしました。


拍手レス
15日19時の方>
おお、あなたでしたか!わざわざ教えてくださり、ありがとうございましたー!


では、きっと今日終わるはずの小説をどうぞ。


『正義』―10話―


町への報告は適当な奴をパシり、向かおうとしたライトは部屋で休ませることにした。
ポチ君は飼ってもいいということになった。
動物好きの子が引き受けてくれたし。
俺もちゃんと手伝えるように、色々と本を読んだりして勉強しようってことで、図書室へ!
会いたい人もいるしね。

重い扉を開く。
見覚えのある後姿。
目的の人物を発見した。
「リィン!」
名前を呼びながら駆け寄る。
リィンは振り返り、その勢いにのせて裏手でこめかみに一撃。
痛い・・・・・。
「静かにしろ。この阿呆。」
「ひど・・・・・。あ、そうそう。3部作って、これだよな?」
鞄ごと渡す。
リィンは中身を確かめ、こくりと頷いた。
「鞄はどうする?」
「俺要らないし、あげるよ。」
「そうか。」
本の保護にもいいだろうし。
リィンはそれをすぐに自分の鞄の中にしまった。
・・・・・もう行くのかな?
そう思ったら、何か本を探しにいった。
リィンは本当に本が好きだなぁ・・・・・。
ライトも・・・・というか、他の若い子も少しは見習った方がいいと思う。
「あれ?神殿長?」
「ん・・・・あ、ブライト。久しぶり〜。」
「久しぶりッス。丁度よかった。あの、本の借り方知りたいんスけど。」
のほほんとした明るい笑顔は変わってない。
あのときのように完全に対等に、とはいかなくても、気軽に話しかけてくれるのは嬉しい。
「あの台にある紙に、本のタイトルと名前を書いて持っていっていいよ。台のあっち側に人がいたら、その人がやってくれるけど普段はいないから自分で書いてね。原則として、一回に借りれるのは一人10冊までで、期限は2週間。ただし、旅してる人は特例で、手続きさえ踏めば期限を延ばせるよ。」
「ふーん・・・・結構簡単だな。」
「複雑にしてもしょうがないからね。ところで、どんな本借りるんだ?」
「剣術の指南書。リィンが此処にもあるって教えてくれて。」
ブライトが楽しそうに笑う。
本当に強くなるのが好きなんだな。
「じゃ、アリガトございました〜。」
「どういたしまして。」
ブライトが走って目的の本を探しにいった。
あんまり走っちゃ駄目だよ・・・・俺も走ったけど。
「何呆けてんだ?」
言葉と共に頭に衝撃。
感触からして、本で殴られたらしい。
衝撃が軽かったのは、本に対する配慮。
振り返ると、本を突き出された。
これは・・・・・。
「飼うんだろ?」
簡潔な言葉。
リィンの手には、『動物の飼い方〜みんなが知ってる動物から見た目は怖い猛獣まで〜』という本が。
「コレにポチの種族も載っていた。テメェが探すんじゃ、その間に何かありそうだからな。」
「ありがとう。」
わざわざ、探してくれたらしい。
「珍しいな。」
「その代わりにコレをライトに持っていけ。」
「何これ・・・・・?『2歳でもわかる!神殿の教え☆』?」
「あいつにはそれがお似合いだ。」
中身をぱらぱらと見てみると、可愛らしい絵の数々が目に留まる。
難しい言い回しもほとんどなく、親が読み聞かせれば確かに子どもでも理解できるだろう。
・・・・2歳児ができるかどうかは知らないけど。
「わかった。渡しておくよ。」
「そうか。じゃあな。」
「また今度。」
「『今度』があればな。」
なかったら、何か適当な理由をこじつけて会いに行こう。
声には出せないけど、とりあえずそう決心した。
リィンの後姿を見送り、俺はぼんやりと、漠然と、考えはじめていた。


ガキの頃から、『正義』という言葉が好きではなかった。
なんて滑稽な言葉だろう、とガキのころからそう思い続けていた。
そして、それ以上に『正義』を掲げる奴らが滑稽で、哀れで、腹立たしかった。
だから、俺はそんな身の程知らずな正義至上主義者にはなりたくないと、今でも思っている。
俺にとっては『正義』なんて、不確かで、曖昧で、魅力を感じることのできない言葉。
誰もが違った『正義』を掲げる。
誰かのそれは他の誰かにとっては『悪』にもなりうる。
それは当たり前のこと。
けれど多くが自分の『正義』こそが絶対的に正しいと信じてる。
だから俺は『正義』も、それを掲げる奴らも大嫌いだ。
何が正しくて何が間違ってるかなんてどうでもいい。
ただ俺の道を邪魔する奴は、『正義』だろうと『悪』だろうと蹴散らすだけだ。


子どもの頃から、正義のヒーローに憧れていた。
だから神殿の誘いを受けたときは、どんなときよりも喜び、そして感動した。
自分も正義の使者になれるのだと思うと、嬉しくてしょうがなかった。
これからは人々の平和の為に戦うのだと、心に決めた。
だから、『正義』を否定する奴は、俺にとっては敵だったのに。
俺は確かに『正義』を信じてる。
けれど、あの時俺はリィンに何も言い返せなかった。
返す言葉は今でも見つからない。
自分のいってることが間違ってるとは思ってない・・・・思いたくない。
けれど、リィンがいうこともまた事実だった。
俺はこれからもきっと『正義』を掲げて生きていく。
迷うこともあるだろう。
それでも、俺にとって『正義』は、かけがえのないものだから。
自己満足に過ぎなくても、俺はそうしないと、きっと強く生きることなんて、できないから。


昔から、『正義』という言葉はよく耳にしていた。
そのたびに、俺は密かにため息をつくしかなかった。
ここにいる以上、俺が『正義』という言葉から離れることはできない。
『正義』なんて、どうでもいい。
そのときまでは、考える価値もない言葉だと思っていた。
けど、リィンと出会って、その言葉を考えるようになった。
俺が今までに聞いたことのない理論も、考えたことのない意味も、とても魅力的に感じたから。
リィンのおかげで、俺は自分なりに『正義』の意味をつかめた。
『正義』の意味は人それぞれで、誰もが違う『正義』を持っている。
きっと『正義』は、ヒトを支える為の言葉。
それが良いことか悪いことかは分からないけど。
支えがなければ生きていけない人間は大勢いるのは、よく分かっているから。
俺にとっては今でも『正義』はどうでもいい言葉。
けど、それはあのときの「どうでもいい」とは少し違う。
俺はきっとこれからもいろんな『正義』を見るだろう。
そのたびに何を思うか、今は分からないけれど。


―終わり―

終わりました〜!!
サイトに載せるときは多分少し文章変えます。
今見たら色々おかしいので。
では、今日はこのくらいで!

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