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では、今日はささっと小説を書きます。



『総てに捧げる抒情詩』
第九話



僕は間違ってない。間違ってるのはあいつらの方だ。
それなのにどうして。
誰一人として理解してくれない。理解しようともしない。
だから、だから僕は―――――



「これでよし。さぁ今度は校舎内を巡ろうか。」
「何やるんだ?」
「必要物資の調達だよ。」
「率直に言えば、学校の物をパクると?」
二人はふふふ、と笑って誤魔化した。誰か、こいつら本気でどうにかしてくれないだろうか。
「何をパクるんだ?」
「ライン引きに使う石灰と、チョークと、不透明水彩絵の具。聖、後は何があったっけ?」
「原稿用紙と万年筆。あと、図書室から本を数冊借りないとならないかな。」
「図書室の本はちゃんと返すんだろうな?」
「それはバッチリ。」
ちょっとツッコミどころが違うかもしれないと思ったが、とりあえず、あたしとしてはそれが最重要事項だった。
「とりあえず行こうか。」
「りょーかい。でも、全部手に入るのか?」
「手に入れるのさ。」
「あっそ。」
答えながらとりあえず首を軽く回す。あたしの仕事は、きっと荷物もちだ。



まとまりがないなぁと思う荷物は、並べてみると本当にまとまりが無かった。ライン引きの石灰、チョーク、不透明水彩の絵の具、万年筆は書くものというつながりはあるが、それくらいだ。
「何に使うんだよ、こんなの?」
「ちょっとね。とりあえず、今使うのはこれだけ。」
「・・・・・本を何に使うの?」
「『使う』という言い方は正確じゃなかったな、ごめん。とりあえず読むものだよ。葵君も読む?」
「って言われても・・・・・。」
手渡されたそれは、詩集のようだった。でも本の感じが少し変だ。よく見れば、『貸出禁止』と云う文字がある。この二人だからそのくらいは大目に見られるのだろう。よく観察してみると、それは嘗ての文芸部の部誌だとわかった。
「昔は印刷所に頼んでたんだ・・・・・。」
「今みたいなコピー機が学校に無かった時代なんだと思うよ。」
「ふぅん・・・・・。」
とりあえず中をぱらぱらとめくる。詩集だとばかり思っていたが少しばかり小説のようなものも混じっている。ただ、当然のことではあるのだが、どれもやっぱり文体が古い。
けど、ぱっと見たうちの一節が、何故だか目を引いた。

『ソシテ亡霊ハ嘲笑フ 地ヲ這フ我ラヲ見下シテ』

何だかよく分からない。あたしは読むのをやめて、二人にそれを返した。
「終わったら起こして。あたし寝る。」
「うん。」
二人はおやすみーと言って、本に没頭し始めた。寝心地の良さそうな所を探していると、真理が日陰の辺りに正座した。そして膝を軽く叩く。
「えーと・・・・・。」
膝枕してくれるらしい。眠いし、とりあえず素直に甘えておく事にした。
「真理、足痺れたらごめん。」
「大丈夫。」
何がだろう。
ツッコミを入れたいのは山々だったが、それより何より眠気が優った。



続く。



では、今日はコレにて失礼します。

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